子供を貧乏にする親の習慣

老後2000万円問題、コロナショック…最近の経済ニュースはお金の問題を私達に突き付けます。今までは年功序列・終身雇用で「いい大学に入っていい企業に入れば人生安泰」と子供に教えることが出来ましたが、これからの時代はより「不確実性」が強まっていきそうですよね。

お金を稼ぐ力、金融知識についての教育ももちろん大事ですが、今日はそれよりももっと早い段階から取り入れて欲しい「お金の教育」について「親の習慣」という観点からお話ししますね。

 

 

どんなに頑張ってもお金持ちになれない理由

「お金」と聞いて何を思い浮かべますか?

突然ですが「お金」と言われてあなたは今どんなイメージを思い浮かべますか?

 

楽しい、嬉しい、安心…のようなポジティブな感情

怖い、汚い、不安…のようなネガティブな感情が浮かんだ方もいれば

何か具体的にお金を使っている場面(買い物、外食、旅行)や、金ピカの指輪をつけてスーツを着た怖そうな男性の顔が浮かんだ方もいるかもしれませんね。

 

私達は必ず「言葉」にイメージを持っています。そしてその「イメージ」はあなたに何かしらの「感情」を抱かせます。

 

もしあなたが今「お金」に抱いたイメージが「ネガティブなもの」だったとしたら、少し注意が必要です。

 

 

宝くじに当たってもお金持ちになれない理由

というのも「お金」にネガティブなイメージを持っているということは、お金を持っている状態はあなたにとって「心地よい状態ではない」可能性があるからです。

意識的には「お金が必要」と思っていても、もしそこに「怖い」「汚い」「不安」というイメージがあるとしたら、そんな気持ち悪いものを持っていたくない!それなら使ってしまえ!と無意識にあなたはお金を手放そうとしてしまうかもしれません。

 

例えば、突然宝くじに当たって大金を手に入れたけれど結局使い果たしてしまったなんていう例は枚挙にいとまがありませんよね。

少し統計が古いですが、2013年にアメリカの「Brain Research Institute 」が行った調査で「アメリカの宝くじ・パワーボール当選者のうち5年以内に当選金を使い果たした割合」が出ています。

賞金額は日本円で1000億円を超えるような高額な宝くじ。平均的な日本人の生涯年収約2億円の500倍、つまり日本人500人分の生涯年収を賄える大金ですよね。それを5年以内に使い果たす方が逆に難しい気がするのですが、何と44%もの当選者が5年以内に当選金を使い果たしてしまうそうです。

 

もちろん、「その人たちがお金の使い方を知らなかったからでしょ?」というのも一理あるのですが、私自身はその人たちの「お金観」も大きく影響しているのではないかと思うのです。

 

 

女性は財布を持たなくていい

もう一つ「お金観」についての例を紹介させてください。

知人経営者の奥様であるAさんの話です。Aさんのお母様はお仕事をされておらず、お金の管理は基本的にAさんのお父様がなさっていたそうです。Aさんのお母様が扱っていたのは生活費のみ。Aさんが何か買ってほしいものをお母様に相談すると必ず「私はお金を持っていないからお父さんにお願いしてね」と言われたそうなんですね。

 

良くある断り文句だったのかもしれませんが、何度か繰り返すうちにAさんはお父様にねだった方が早いと気づき、それからはお父様に相談するようにしたそうです。

この小さい頃の経験を経てAさんは「女性は財布を持たなくていい。男性に買ってもらえるから」という「お金観」を身に付けました。Aさんは知人経営者が稼いだお金は「自分が使っていいお金」として浪費してしまうそうです。知人が嘆いていたのはAさんの浪費癖以上に、二人のお子さんがAさんの姿を見て「Aさんと同じお金観」(女性は財布を持たなくていい)を身に付けないかをとても心配していました。

 

 

「お金観」を学ぶのは誰から?

先の宝くじの事例も、浪費癖があるAさんの事例も共通して言えるのは、私達は過去の自分の経験(見聞きしたこと、教えられたこと)から「お金観」を身に付けていくということです。

 

宝くじの場合、例えば「汗水たらして働いて得るお金意外に価値はない」という「お金観」を持っていたら「苦労せずに手に入れた高額当選金」に居心地の悪さを感じて、無意識に手放したくなりそうな気がしませんか?

Aさんの場合も、「女性はお金を稼ぐ必要はない」という「お金観」を持っていたら、例えば自分で働いて好きなものを買うという選択はあまりしなさそうですよね。

 

私達は学校で「お金」についてほとんど学びません。特に日本人の場合、公衆の面前でお金の話をするのはタブーであるという空気すらあります。

ということは私達が「お金観」を身に付ける「生きた教育の場」は「家庭」なのです。

 

つまり、あなたの親の「お金観」があなたに、そしてあなたの「お金観」がお子さんに受け継がれていく可能性があるということです。

 

私は母から「投資は怖いものだから株なんて絶対やっちゃダメ!」と言われて育ちました。母としては自分の投資経験を私に「親心」から助言してくれていたのかもしれませんが、その言葉は私の「投資は怖い」という「お金観」を育むには十分すぎる言葉でした。

その結果、30歳近くなるまで株式投資なんて怖くてやったことがなく、「株」と言われただけで「私はいらない」と拒否反応を示していたのです。

今は真逆で投資が楽しいと思えるのですが、そう思えるようになるまでにやはり時間を要しましたし、何よりも「投資は怖い」という恐怖心を克服するのにとても苦労しました。

 

しっかりと染みついた「お金観」はその人の考え方や行動にある種の「制限」をかけます。その「制限」が良い方向に働けば良いですが、お金を稼ぐこと、お金を持つことへの「ブロック」になってしまうこともあり得ます。

 

そうであれば、「生きたお金の教育」の場として家庭で親が「お金」について教える事が子供の「お金に対するブロック」にならないように配慮することが、子供がお金に恵まれる人生を送るための最初の「教え」ではないかと思います。

特に親がお金に対してネガティブな言動を習慣的にしている場合、それがそのままお子さんに受け継がれていく可能性が高いことを心に留めておいてくださいね。

 

 

子供にかけたい「お金」の言葉

あなたの「お金観」はどのタイプ?

「お金」と聞いてどのように感じるか、つまり「お金観」は以下の4つのタイプに分けることが出来ると言われています。

 

①貯蓄タイプ=貯める

お金は使いたくない!貯金額が増えるのが嬉しい!タイプ

 

②消費タイプ=使う

お金は使ってなんぼ!買い物が大好き!タイプ

 

③逃避タイプ=逃げる

お金のことは考えたくない、お金のことは人に任せたいタイプ

 

④僧侶タイプ=捨てる

お金には興味がない、お金がなくても構わないタイプ

 

あなたはどのタイプでしょうか。決して「消費タイプだから貯蓄が出来ない」「逃避タイプだから良くない」という訳ではなく、自分のタイプをきちんと知ること、そして4つのタイプをバランスよく持つことが重要だと私は考えます。

生活に必要な分をきちんと貯め、経済を活性化するために適度に使い、苦手な税金の計算などはプロに任せ(会社でも人事・給与の方がやってくれますよね)、無報酬でもやりたいと思うくらい心底好きなことを見つける。

 

これなら何だか出来そうですし、恐れ過ぎず、執着しすぎず、お金と上手に付き合っている感覚が得られるのではないかと思います。

 

 

子供にポジティブな「お金観」を身に付けさせるためには

その上で、子供がネガティブな「お金観」を身に付けないように

「お金は人生を豊かにしてくれるものである」

「お金は安心を支えるものである」

「お金は誰かを笑顔にした対価としてもらえるものである」

などお金についてポジティブな言葉を子どもに伝えていくのが、最初の「お金の教育」ではないかと思います。

 

認める、認めないにかかわらず、お金は私たちが生きる上では絶対に欠かせないものです。

お金は私たちを「安心」させてくれます。

お金がちゃんと毎月入ってくる、そのお金で来月も今日と変わらない生活が出来るという事実は、私たちの心を穏やかにしてくれます。

お金は私たちに「選択肢」を与えてくれます。

お金があれば「予算が…」と諦めることなく自分が好きな方を正直に選べます。「選べる」ということは「自由」であるとも言えます。

お金は「安心」と「選択肢」を与えてくれる私たちの人生のパートナーです。

そのパートナーのことを「怖い」「汚い」「あやさましい」「必要ない」なんて言っていたら、うまくやっていくのはきっと難しいですよね。

 

親から教えられたことは子供の人生に大きな影響を及ぼします。それは誰しもが感覚的に知っていること。

そうであれば、お子さんがお金を「自分を幸せにしてくれる人生の大切なパートナー」だと思えるように言葉を選んで伝えていくことが、「子供を貧乏にしない」ための親のお金の習慣ではないでしょうか。

 

 

今日から始める「お金の習慣」

お金を払うときほど気持ちよく払う

私達はお金をもらう時はニコニコしますが、お金を払う時は「嫌だな」「勿体ないな」等義務感で払ってしまうことが良くあります。

ですが、行動にも何かしらの「イメージ」が紐づけられるとすれば、お金を払う時に「ネガティブな感情」を抱くよりは「ポジティブな感情」を抱いた方が、「お金」全体へのイメージが守られそうですよね。

 

そこでお勧めしたいのが

「お金をいただく時」はもちろん、「お金を払う時」にも「ありがとう」と言うこと。

 

モノやサービスの対価としてお金を払う時は特に「幸せな気持ちにしてくれてありがとう」とお金を払ってみてください。(相手がいる場合は特に声を出すのがおすすめです!)

そして、自分が払う時のことを考えれば、受け取る時に「なんだ、少ないな」なんて恨みがましく言う相手にはお金を払いたくないですよね。受け取る時ももちろん「私のところに来てくれてありがとう」とお金を受け取ってみましょう。

 

「ありがとう」は言った人も言われた人も幸せにする魔法の言葉です。

その魔法の言葉と「お金」を組み合わせることにより、お金の周りには常に幸せな気持ちがあるということをお子さんに繰り返し記憶してもらいましょう。

 

そうすることで、幸せな「お金観」を身に付けることが出来るのではないかなと思います。

 

 

素直に「お金が好き」と言おう

いかがでしたか?もちろんこの対応が全てではありませんので、「いいな」と思ったところを参考にしていただければと思います。子育てでは親が使う言葉ってとっても大切。それがそのまま「子供の言葉」や「子供の考え方」になる可能性が高いからです。そうであれば、もしお子さんに「お金に困らない、お金に恵まれる子になって欲しい」と思うのであれば、親御さんご自身が「ポジティブなお金観」を身に付けられるようお金に関する「言葉」を意識していただければと思います。

  
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